人材育成は研修だけではない?「人が自然と育つ環境」をつくる考え方
社員に成長してほしいと考えるほど、研修を増やし、「これを学んでください」と伝える育成になりがちです。しかし、研修の機会を増やすだけで、本当に人は育つのでしょうか。
ココロココでも、会社側から学びを与えるだけでは、思っていたような成果につながらないという課題がありました。そこで人材育成を「何を教えるか」ではなく、「人が自然と育つ環境をどうつくるか」から考え直しました。その考えを形にしようとしているのが、独自の育成体系「COCOBASE」です。
人材育成を「何を教えるか」だけで考えない
人の成長は、一つの研修だけで生まれるものではありません。人との出会い、新しい知識、仕事を任されて挑戦した経験、失敗や悩み、自分で学んだことの実践、周囲からのフィードバック。そうしたさまざまな経験の積み重ねが成長につながります。
そこからココロココが考えるようになったのが、その人の「仕事人生の環境」そのものをより良く設計するという人材育成です。
良い人と出会える。学べる。挑戦できる。実践できる。失敗できる。アウトプットできる。そして、その経験が次のキャリアや可能性につながる。「人を育てる」のではなく、「人が育つ環境をつくる」ことを重視しています。
「学ばせる」より、自分から「学びたい」と思える環境へ
研修そのものが不要ということではありません。ココロココが見直したのは、「人材育成=研修」という考え方です。
面白い仕事に出会えば、もっと知りたくなる。尊敬する先輩がいれば、自分もそうなりたいと思う。新しい仕事を任されれば、必要なことを自分から学ぶ。発表する機会があれば、それまで以上に深く考えるようになる。
こうした環境があれば、誰かから強制されなくても学びは生まれます。
違う拠点で働く、会議の運営を任される、後輩を指導する、新しいプロジェクトに参加する、責任ある役割を経験する。研修室の外にある日々の仕事も、人が育つ機会として捉えています。
COCOBASEは、5つの研修ではなく「成長の循環」
COCOBASEでは、人が育つ環境を5つに分けています。理念や価値観、仕事への考え方などの土台をつくる「ココキャンプ|BASE」。介護の知識や技術、マネジメントなどを学ぶ「ココカレッジ|INPUT」。学んだことを現場で実践する「ココフィールド|PRACTICE・OJT」です。
さらに、学びや実践を発表したり、人に教えたりする「ココサミット|OUTPUT」。その成長を昇格やキャリア、新しい仕事への挑戦などにつなげる「ココスタイル|OUTCOME」があります。
重要なのは、5つを別々に行うことではありません。「土台をつくる → 学ぶ → 実践する → アウトプットする → 成果・キャリアにつながる」という一連の循環をつくることです。
仕事で得た経験を、次のキャリアにつなげる
COCOBASEでは、「どのような経験をすると、どのような力が身につくのか」まで整理し、人事制度にもつなげることを目指しています。
拠点異動や会議運営、人を育てた経験などを、単に経験したことで終わらせない。その経験によって身につけた能力を会社が認め、等級やキャリア、次の役割へつなげていくという考え方です。
一方で、仕組みを細かくすればいいわけではありません。複雑になれば社員にとって分かりにくくなり、運用する現場の負担が大きければ続きません。
COCOBASEも完成した仕組みではなく、「育成として意味があるか」「社員に分かりやすいか」「現場で無理なく続けられるか」を考えながら、現在もブラッシュアップを続けています。
主体的に学べる環境が、一人ひとりの可能性を広げる
どれほど良い研修や環境があっても、本人が「なぜ学ぶのか」「何のためにこの仕事をするのか」を理解していなければ、本当の意味での成長にはつながりにくいとココロココは考えています。
目的が明確になれば、自分には何が足りないのか、何を学ぶべきか、次にどんな経験をしたいのかを自分で考えられるようになります。目指すキャリアも一つではありません。マネジメントへ進む人も、専門性を高める人も、今の仕事をさらに深める人もいます。
介護には、身体への理解、認知症への理解、コミュニケーション、生活を設計する力、その人らしさを引き出す力、チームでサービスをつくる力など、幅広い専門性があります。そうした専門性を学び、実践し、自分なりのプロフェッショナル像をつくれる環境を整えることも、COCOBASEが目指していることです。
人材育成で大切なのは、研修の数を増やすことではありません。「学ばされる」から「学びたい」へ、「会社にキャリアを決めてもらう」から「自分でキャリアをつくる」へ。人が自然と学び、経験し、その成長が認められ、次の挑戦へつながる循環を日常の中につくること。それが、ココロココの考える人材育成です。


